2024.9.28.札幌市環境局主催によるフォーラム「気候変動が変える、生き物と私たちのくらし」に参加した。
講師は国立環境研究所 生物多様性領域 生態リスク評価・対策研究室長 五箇公一氏。生物学者として尊敬してきた氏の講演を聞き逃すわけにはいかない。(以下は、録音したものではなく、受講時の筆者のメモである。当原稿は五箇公一講師による修正済み)
生物多様性があるからこそ人間は生きていける。だが、生物多様性は劣化している。
人間と動物―滅びるのはどちらが先か。
大昔から繰り返されてきた大絶滅。史上最悪の温暖化で寒冷地に生きる動物は逃げ場を失う。
世界の約100万種の動植物が絶滅の危機を迎えている。だが、地球温暖化は一つのファクターにすぎない。それ以上に、深刻かつ急速に生物を絶滅に追い込んでいる要因が他にいくつもある
→ 生息地の破壊・乱獲・汚染・外来種の侵入
・遺伝子の多様性:同じ種でも遺伝子が異なる。形や模様、生態などに多様な個性あり。
・種の多様性 :様々な生物種が存在する。動植物から細菌などの微生物にいたるまで、色々な生きものが存在。
・生態系の多様性:景観の多様性(森林、里地里山、河川、湿原、干潟、サンゴ礁など)。
・最も生物多様性が高い地域だといわれている熱帯雨林が、人間による森林伐採・土地開発により、急速に面積の減少および分断化が進
んでいる。
・私たちが大量の資源に依存した生活を続ける限り、生態系の劣化は止まらない」
・人工物。深刻化する廃プラ問題(自然界で分解不可能)。アジアから一番排出されるプラスチック。
・生活排水。便利な抗菌剤。
・港湾から入ってくる。ヒアリなど随伴外来種。。
・哺乳動物と人獣共通感染症ウイルスの共有ネットワーク
・野生動物保有ウイルスが家畜動物を介して人間界に。コウモリには直接。
・新興感染症ウイルスが野生のジャングルから都会へ。野生動物の住処を人間が攪乱、入り込んだため。
・ウイルスが進化し続けている。
・1918年~1920年に流行したスペイン風邪は、鳥インフルエンザが遺伝子を変化させ、人型になったもの。
・ウイルスから見れば人間は格好の餌?人間を減らして生態系を回復させる?
・人と動物の正しい共生の在り方→ゾーニング(距離を置く)→自然共生社会
<まとめ>
動植物絶滅の原因は、人間活動にあることを改めて認識。「今こそ社会変容のチャンス」だと結ばれた。
公益社団法人 札幌消費者協会「北海道エゾシカ倶楽部」 代表 武田佳世子
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