ハンターに聞いてみよう!エゾシカのこと


エゾシカやクマ、最近増えてない?(板倉修一)2022.9.25


ハンターといろんな数字!こんな切り口で講座は始まりました。現役ハンターである板倉修一氏から現場事情をお聴きしました。エゾシカと関わりある数字! たくさんあることに驚きです。


まずは、この数字から。

「エゾシカは北海道にどんだけいるの?」

→69万頭と推定。 令和2年の67万頭から約2万頭増加!

「農作物被害ってどのくらい?」

→エゾシカによるものは約40億円。 近年少しづつ増加傾向 。


エゾシカが森の中で平和に暮らせるのは 1km四方で何頭くらい? →農作物を荒らさないで済むには 1~2頭

→自然植生に影響を出さない で済むには3~5頭

北海道全体で何頭くらいが適切か?

→北海道の森林面積5.54万平方km×5頭=約27万頭

 今の現状では明らかに過密。



エゾシカは1年でどのくらい増える?

→毎年約20%づつ増加→ 69万頭の20%は13.8万頭増 。

どのくらい捕獲されてるの?

→令和3年は約13万頭・・・増加分より少ない。

 道目標:16.3万頭

(少しづつ減らしてシカたちを暮らしやすくしてあげたい)

農業被害以外にどんなことがあるの?

→列車との接触 3951件。 自動車との接触 4009件。

 どちらも近年増加傾向



ライトセンサスの写真
ライトセンサス

捕獲数とか生息数はどうやって調べるの?

・ハンターからの捕獲頭数報告

・生息数:ライトセンサス 捕獲数 目撃数

 ・集計数:最近、ドローンを使っている。 

ライフル弾の種類

308win エゾシカ用でメジャーな弾

338Lapua レア・超強力

30-06 エゾシカ用でメジャーな弾 

講義中の板倉講師写真
講義中の板倉講師


「狩猟の作法」→ 銃猟は沢山の法律を守って実施。

・鳥獣保護法: 狩猟免許・狩猟鳥獣・期間・猟法・場所 ・銃刀法: 猟銃の所持許可(更新)・管理

・火薬類取締法: 弾の購入・管理


エゾシカ銃猟 猟期:10月1日~3月31日まで (地区によって異なる) 時間:日の出から日没まで。

撃ってはダメな場所: 住宅地・神社・寺・墓地 あらゆる道路(弾丸が路上を通過もダメ) 禁猟区・休猟区・保護区など

:口径・長さなど細かく規定


「狩猟の作法」は沢山ある。 法律以外にも「動物愛護」や「尊厳」。できるだけ苦しめない捕獲

・中枢神経系やバイタルゾーン(心肺)・消化器は絶対NG(苦しませるだけ) 捕獲個体の尊厳 ・ヘッドショットよりもネックショット


スマートディアってなに? →発砲やわなを生き延びて、サバイバル スキルを身につけた個体や群れ。

シャープシューティング? → 群れのエゾシカを逃がさずすべて捕獲。 群れが大きいときは発砲せずにスルー(サバイバルスキルを身

              につけさせたくないからだ)。ハンターとエゾシカは常に知恵くらべをしつつ、向き合っている。


獲ったエゾシカどうするの?

:食肉として流通 18%

   ペットフード 約10%

   ハンターが自己消費 約40%

 (腐敗が早い夏場や腹部に被弾した個体は 肉として使用できない)

:なめし加工してレザー 10%程度

:一部がクラフト材料や漢方材料

骨や内臓: あまり活用されていない

※未活用部位は微生物による減容化や焼却処分(焼くには大量の油が必要)

講座風景の写真
講座風景


北海道の大切な自然資源を 費用(税金)をかけて処分している。道内ハンターは 輸入品の銃や弾を東京の商社から購入しているハンター(道民)の資金が道外・海外に流出勿体ない→どうすればいいのか?

道民がもっと食べることは勿論、地産都消で道外から収入を得たいもの。道産品として海外に輸出外資を獲得できるようになれば、北海道経済に潤いをもたらすと考えられる。