4月27日。Josephさんの希望で、黒曜石の原産地である「白滝村」に倶楽部員4人が加わり、総勢5人で出かけました。黒曜石は、ガラス質の火山岩。火山の溶岩(マグマ)が急速に冷えて固まることによって作られます。「白滝村の黒曜石は世界で最も美しい。でも、北海道に住む多くの方々は、そのことに気付いていないのではないか」とJosephさんに指摘されて、初めて訪れることになったものです。
まずは、4月29日のクラフト教室用に、黒曜石を購入しなければなりません。しかし、現在、黒曜石は資源保護のため、国の管理下にあり、現在は採掘禁止。指定された所でしか、購入できません。私たちが黒曜石を手にすることができたのは、現在は、ここでしか売っていないというお店のご主人が50年前に採集したという貴重なものでした。
「コレは良いけどソレはダメ!」原石を選ぶに当たっては、厳しいプロの目が光ります。そして、大量の在庫の中から作品に使える美しさを持つ石をJosephさんが選り分けていきます。溶岩の成分の1つである鉄分が、冷える過程で空気に触れ、酸化して綺麗な橙色の紋様を作っているもの、真っ黒で光沢のあるものなど種類に応じて購入していきました。
次に、白滝ジオパーク交流センターと遠軽町埋蔵文化財センターを見学。学芸員の方々に館内を案内して頂きました。黒曜石は、220万年前、赤石山の大噴火で流れ出た溶岩の粘度が非常に高いという特殊性が生み出したもの。3万年前から人類がこの黒曜石を使って様々な道具を作り、生活必需品として使っていたということ。出土品の数々に、圧倒されるばかりです。Josephさんが、学芸員に「色々な黒曜石を見てきたが、ここの黒曜石は、世界的にみても極めて素晴らしいですね」と何度も強調されていたのが、印象的でした。
今回、Josephさんは、初めての訪問でしたが、既に数年前から、学芸員の方々とアメリカからメールのやり取りをされていたようです。その話を、Josephさんがしますと、皆さんは覚えておられたようで、一様に顔が輝いてきました。その後の説明や質問もスムーズに進みました。
今回見学した遠軽町立の二つの施設は、非常に見ごたえのある、素晴らしいものでした。
遠軽町教育員会発行の「黒曜石物語」(上掲)によると、古代人は採集した黒曜石の塊を割るために、石や鹿角をハンマーとして使っていたと考えられているようです。大きく割るためには石などの硬めのハンマー、細かな調整には鹿角などの軟らかめのハンマーと使い分けがされていたようです。
( 2017.4.27 棚川伊知郎 )
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