◆シカ骨を新たな「食文化」に(2018.11.28)


◆◇◆ 骨・爪・歯 ◆◇◆


私たちは、エゾシカの丸ごと有効活用を考えている。それには、未利用部位を最小限に留めたいもの。消費拡大の問題点は、「全ての部位が利用できていないこと」に一因があるかもしれない。このページでは、未利用部位の活用(骨、歯、爪など)を考えていく。


ロシア連邦極東のカムチャツカ半島に住む先住民族コリャークはトナカイ遊牧民。彼らは、トナカイの目玉や脳味噌、そして骨の髄まで食べると聞く。まさに「ロスなし有効活用」そのもの。トナカイはシカ科の動物。日本シカと大きく違うのは角の生え方。日本シカの角は雄だけの専売特許だが、トナカイの場合は雌にも角がある。角の形は大きく異なるにしてもエゾシカとは兄弟分。だとすれば、コリャークの人たちのトナカイ利用の仕方は、我らがら主役エゾシカの存在価値を考えるうえで、に大いに学ぶところがありそうだ。


◆西興部村からエゾシカの骨が届きました!いざ、スープ作りに挑戦


11/24 西興部村から届いたシカ骨
11/24 西興部村から届いたシカ骨

西興部村養鹿研究会の中原慎一会長から、札幌に初雪が降った11/23、シカ骨が送られてきた。骨髄には多種類のすぐれた栄養成分が含まれていて、欧米や中国ではよく利用される栄養豊富な食品。実際に、骨髄のエキスを抽出し、シカ骨スープを作ってみよう。それぞれの家で、試行錯誤。目指すは「シカ骨ラーメン」。

11/24、動き出した私たち。まずは遊び感覚で・・・。

中原慎一会長
中原慎一会長






エゾシカの骨からスープを作りました。3日3晩かかりました。コーンスープのようにクリーミーで、すごく薄い味です。(棚川) 

生姜も何も入れずに骨をクツクツ煮初め、美味しいスープがとれました、嬉しいです。確かに鳥ガラでとるよりも臭いがしませんでした。 私は味付けをしない食べ物が好きで貴重なスープを小鍋に入れて冷蔵庫に入れ、少しづつですが友人達にも飲ませて何のスープか訊きますが、誰も分かりません。大事に飲ませていただいています。(原島)

ちはスープにしました!豚こまとつくねとキクラゲと豆苗を入れて味は塩とコショウのみでしたが、生姜がきいていて美味しかったです(渡辺)   

約4.5リットルの〔肉用〕鍋があるのではじめにお湯を沸かし、骨を入れさっと流しました。又お湯を沸かしその中に骨を入れ長ネギの青いところ使用、人参、ショウガなど入れセロリは使いませんでした。ところがもの凄ぐけもの臭く家中に広がり空気清浄機が反応をして、大変なのでガス火を少し小さくして鍋の蓋をしました。鍋の蓋には蒸気が出るところがあり今度は少しずつ臭いも収まり3時間ほど煮てガスを止めそのまま置きました。その後蓋を取り確認をしたところ煮て、もの凄く美味しい匂いで、チャーシューを作った時とあまり変りませんでした。〔ただもう少し骨に肉がついていると良いのではと思います〕写真を撮るのを忘れ無いのは残念ですが醤油をベースにラーメンは良いのではと思います。

出来たスープでありあわせの野菜とベーコンを入れて早速ラーメンを作ってみました。予想はしていたけど油が無い分、アッサリしているので何か添加したほうがいいのかなあと考えています。最後に残った骨は工芸品に再利用できそうです。(武田)


スープを作っている3日間は家中、獣臭?

以前、熊の肉を煮たときよりは臭くはなかったのですが、それに近い臭いだと思いました。やはり野生動物。

我が家で作りましたエゾシカ骨スープのラーメンです。

本来は塩味だと思いますが、あえて味噌味にしました。

新顔のモモちゃんも匂いに誘われ近寄ってきました。(細山)

 



◆ 工芸品として


2017年3月アメリカロサンゼルスから来札されたMr.Gyusupの歯、骨を使った作品をご鑑賞あれ。爪のイヤリングもありますね。






「終活」は時代のキーワード。最近では、供養の在り方も多様化。遺骨をダイヤモンドに加工して、ペンダント、ネックレス、指輪などに埋め込み、肌身離さず、手元に置いて供養するという方も多いとか。遺骨から炭素を取り出し、高温高圧にかけることでダイヤモンドが合成される。ちなみに1800℃まで温度を上げると骨は溶けるという。エゾシカの骨にも応用できそうね。専門家の話では、人間の骨は不純物が多いため青くなり、動物の骨は黄みを帯びるとのこと。いずれにしても、費用は安くはなさそう。