2017年7月7日(金)午後6時。下川町のまちおこしセンター「コモレビ」で、エゾシカ連続講座「おいしいエゾシカ話」が開催されました。主催は下川消費者協会と(一社)北海道消費者協会。(公社)札幌消費者協会「北海道エゾシカ倶楽部」は共催という形で参加いたしました。
近年、下川町はエゾシカ問題に積極的に取り組んでおり、年間300頭を捕獲する迄になっているそうです。今回はエゾシカ問題に関し、斬新的な取り組みをしているお隣りの西興部村から講師をお招きし、また会場での試食会を通して、エゾシカ問題につき町民の方々と一緒に考える機会を設ける趣旨で、開催の運びに至ったものです。
本日の講師はNPO法人西興部村猟区管理協会事務局長の伊吾田順平氏です。
テーマは「エゾシカと共存する社会の姿とは~北海道の野生生物管理を考える」と題して1時間にわたり、中身の濃いお話を頂きました。
西興部村はエゾシカを「害獣」よりも”地域資源”としてとらえ、肉の美味しさや、皮・角の活用、狩猟対象としての資源性に着目しての取り組みを多数ご紹介いただきました。
ハンティングスクール、ハンティング見学ツアー、ジビエ料理教室、子供たち向け環境教育事業など、エゾシカ問題で困っている全ての市町村で、参考になるお話が、満載でした。
講演の後は、お待ちかねの試食会!試食会というよりは、豪華なお料理がバイキング形式で所狭しと並んでおりました。下川消費者協会と札幌消費者協会の合作料理「シカ肉入り混ぜご飯」「しゃぶしゃぶ」の提供。それに加えて、下川町「アポロ」店主の田中シェフの手によるシカ肉料理と地元の特産野菜を使った15種類もの料理。セミナーでは貴重な情報をたくさんいただき、お食事会では、美味しいエゾシカ肉を存分に食べることができ、素晴らしい夏の夕べとなりました。本当に心から感謝しております。
(記録:棚川伊知郎)
翌7月8日は、下川町恒例のイベント「森ジャム」。エゾシカ試食会は、いわば前夜祭としての意味もありました。
森の中や広場に繰り広げられた沢山のマーケット。隣村の西興部村は勿論のこと、遠く中川町からも出店がありました。いずれのお店も完売が続いたとか。そして、大きな丸太をチェーンソーでダイナミックに彫刻して技を競う「チェンソーアート・コンペティション」。何れの作品も、レベルの高いもので、審査員も苦労されたようですが、グランプリを取ったのは、何と外国の方だったと伺いました。
さて、この町の町長である谷一之氏は、「北方ジャーナル」7月号の「人物株価」で、今月の注目株として取り上げられています。その理由は以下。「土地の9割を森林が占める地元の特性を活かして進める木質バイオマス事業の旗振り役。下川町では、平成16年度から、森林バイオマスによる再生可能エネルギーを創出し、これまで、町内の公共施設10箇所11基、30の施設に木質ボイラーを導入して、公共施設全体の64%まで熱供給をするようになってきた。所謂、「森林バイオマスで地方創生」が持論。“下川産”の熱で集落再生の道筋が見えてきた(HJ誌より)
その町長に組織運営の秘訣をお聴きしたところ、思わずメモしたくなるような示唆に富む言葉が返ってきましたよ。書いておきましょう。イベントが大切なようです。
心すべきは「3つのB(美)」。①学び ②遊び ③喜び。そして4つの直線面。具体的には①広域のコンセプト ②グランドデザイン作り ③ヒューマンネットワーク ④ビジネスチャンス」。
更に、3つのTがコンセプト。
①楽しい ②ためになる ③得をした(参加したことで)
そして…イベント実行にあたり、最も重視すべきは、ポリシー、スタンスを作ること。
①民間、行政の関係者を「その気にさせる」。その為には「あきらめない」「しつこく」がポイント。ナント説得力溢れる言葉でしょう。魅力ある言葉の数々は人の生き方も世の中をも変えていきます。「外からの刺激と交流・連携は、人の気持ちを高めていくものですね!」これが下川町で一泊二日を過ごした私たちが町長から受け取った言葉です。 (武田佳世子)
公益社団法人 札幌消費者協会「北海道エゾシカ倶楽部」 代表 武田佳世子
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