SDGs.中学3年生がやってきた!


11/1。札幌市内の中学3年生35名が札幌消費者協会にやってきた。授業の一環として、協会で実施している「SDGs」活動を学ぶためである。エゾシカ倶楽部も他の2つの研究会と共に15分間ではあったが、プレゼンを行った。


生徒たちから届いた事前質問は以下の通り。

 

    当倶楽部がエゾシカに注目した理由 

②クマやシカなどの野生動物たちが街中に出没している。今後もそのような状況となり、人間に危害を加える可能性もあるのではないか。

③エゾシカとの共生は如何にあるべきか?



当倶楽部は設立から11年を数えた。設立の発端は、まさに頂いた質問の②③に合致する。エゾシカが増え、人里にまで出てくるようになった背景には、繁殖力の高さ、気候変動の他に、天敵であるオオカミの毒殺など、人間の活動が深く係わっていること。増え続けるエゾシカと人間の共生問題に関しては、捕獲者としての人間が彼らを害獣としてではなく、北海道の資源とみなし、シカ肉、皮、角、骨などのすべてを活用、何らかの形で人間世界に残す努力をしていくことに尽きるのではないかと伝えた。


現在の活用率は20%前後にすぎない。シカたちは捕獲されるために生まれてきたのではない。人間の都合で命を奪われるシカ達にとってみれば、捕獲後、一般廃棄物として処置されるだけでは無念だろう。せめて、人間の血肉になり、その他の部位も形状を変えながら、この世界に華麗で役立つ製品とし蘇えることができるなら、彼らがこの世界に生きた証にならないだろうか。エゾシカ肉は栄養価が高いだけに、活用しなければ「見えない食品ロス」となる。それだけではない。石油を用いて彼らの遺骸を償却する費用は膨大なものになる。環境にもよくない。


今後とも若い世代と共に、額を集めてエゾシカ問題を討議する場がもてる機会があればと願う。新鮮な知と活力で解決が早まる可能性があるからだ。解決の機を逸すれば、どんどん街中に出てくるシカに慣れてしまい、誰も通報などしなくなり、そこにシカがいるのが当然だという驚くべき「共存の世界」が、ここ札幌で現実になってしまうような気がしている。