日本の鹿(ニホンジカ)は野生種。畜産に寄った海外養鹿とは趣旨が違う!

エゾプロダクト代表 菊地 隆氏の写真
エゾプロダクト代表 菊地 隆氏

まあ、約20年エゾシカの利活用をしてきましたが、 まったく成長のない業界だなとつくづく…今までも、よくわからない業者や人が入ってきては出ていったり、ゴチャゴチャにしては出ていったり。 その背景には お金  

 


北海道の自然保全、野生動物との共生、毎年12万頭の狩猟、間引き(駆除) 。バランスをとるために行われている個体数管理は、在来種であるニホンジカ(エゾシカ)を種として適正に残していくための意味もある。

肉は食用として安全に安心して食べられるようになり、ペット用の活用も少しずつ進み、廃棄せず、皮も皮革への利活用がこの20年で少しずつ進んできている。



 弊社も 賛同してくれている色々な分野の仲間たちに支えられ、年間30006000枚のレザーに生まれ変わらせ、デザイナー、アーティスト、ブランドや企業と一緒に進んできた。


そんな中、先日、繁殖を主にした養鹿場をつくるという話を聞いた。 昨年から耳に入ってはいたが、 何のための個体数管理なのかを理解しているなら、いいだろうと考えていた。ところが…減らすベクトルの中、お金をかけ 個体数管理をし、廃棄されているエゾシカ達が多くいる中で  増やすだと!?  利活用もまだまだ協力していかなくてはならないのに??


西興部村「シカ肉パーティ」写真
西興部村「シカ肉パーティ」

海外のニュージーランドやオージーの養鹿の認識で日本に持ってきても無理ということがわからないのだろうか? 食の文化も違い、ジビエ認識も違う、畜産(家畜)に寄った海外養鹿とは趣旨が違う事を日本に住んでいてわからないのだろうか? 金 だけが目的なんでしょうよ…  野生在来種であるニホンジカは国内消費が基本、海外に売るにはCB(繁殖個体)じゃないとダメだからというとこでしょう。

 



エゾシカのこともう少し考えてあげてくださいよ… 。仮に野生種であるエゾシカに手を入れ、繁殖し、増やした結果、本来のニホンジカとは全く違った動物行動(その動物の生態やそれに伴う能力)になったり、DNAが変わって来た場合、その責任は誰がとるのでしょうか…。 

 

それが逃げ野生の鹿と交配した場合、そのDNAは引き継がれ 日本の鹿(ニホンジカ)は野生種である という適正な種の保存からはずれた場合の責任は?? 


撮影:西興部村元村長 高畑秀美氏の写真
撮影:西興部村元村長 高畑秀美氏

もう…  馬鹿げた事は やめましょうよ。

それよりも、まだまだ撃たれて廃棄しかない運命のエゾシカ達を使ってあげることに全力を尽くしていきませんか!  食べてあげて、 ワンコにも食べてもらい、皮もレザーとして皆さんに使ってもらい、 捨てられる命 ゼロにしていきませんか。 


行政の方、自治体の方、ハンターの皆さん、エゾシカ関連企業、活用に取り組む皆さん、今一度、考えてみてください。



もう散々この20 色々見てきたでしょう健全な良識と節度を持って正面から、エゾシカと北海道の自然保全に向き合ってみませんか。

 

(NPO法人 エゾシカ利活用協議会代表理事・北海道エゾシカ倶楽部副代表 菊地 隆)