当倶楽部には、5人のエゾシカハンターが在籍する。それぞれが仕事を持っているために、全員が顔を合わせることは滅多にない。しかし、4月の例会では道外ハンター、遠軽在住の女性ハンターを除き、3人が出席。そこで取り交わされた話題が他の会員たちの興味を惹いた。
「今シーズン中に、子供を2頭連れた親が多いことに気づいた」とのI氏の発言を受けて、プロハンターのM氏が「自分も感じた」と同調。ということは…。
2頭連れ親子は、ハンターの世界でも珍しいことだったのか。しばし、プロハンターを中心にエゾシカ談議に花が咲く。エゾシカは通常1頭の子供を産むが、2頭生むことも稀にはある。栄養状態や何らかの要因で、
「2頭産む確率が上がった」「2頭産んだ場合に、冬まで2頭とも生き残る確率が上がった」などなど。
2頭とも成長するとなると道庁の増加モデルに誤差が生じることになり、個体数管理にも影響が出るのではないか。今シーズンの出猟報告からどのような結果が導き出されるのか注目していきたいところだ。ちなみに。
道庁資料(令和 4 年 12 月 26 日 確報)によれば、
2021年度(令和3年度 )エゾシカの推定生息数は69万頭。
当倶楽部発足の2013年度(平成25年度)の推定生息数は70万頭だった。
<寄せられたコメント>
仮説として色々な可能性と驚きもあると思います。 もともと2頭産む、又は、双子を産む遺伝子を持つメスは一定数いたとして、温暖化により越冬が楽になり、又、 餌が容易に手に入るようになり、そのDNAをもつメスが残れるようになった。その子供たちも遺伝子を引き継いでいくことで、今後の生態系にも係わってくるのではないかなと思います。僕は 進化の可能性もあるとしたら、環境が遺伝子を変化させることもあるのかもしれない気がしています。種的に狩猟動物であることで種を残していくための進化だとしたら、それはまた新しい発見なのかもしれませんね!そもそも生物学上捕食される生物達はたくさんの子供たちを産みますから。
(エゾロダクト代表:菊地 隆)