ドロップネットってなに?


有害鳥獣による農作物被害に悩む自治体は多く、被害を減らすための防止策として様々な捕獲方法が試行されているようだ。最近の新聞で、長崎県〇〇市がイノシシやカモの捕獲網「ドロップネット」を活用していることを知った。同市では、麦やブロッコリーの畑をカモが食い荒らす被害が増えている。これまでは、猟銃による駆除が中心だったが、県内の猟銃期間は11月から2月迄のため、それ以外の期間は被害が拡大する。そこで、通年利用できるドロップネットに期待が高まっているのだと記載されていた。



ドロップネットとは、これまで耳にしたことが無い言葉だが、シカ捕獲に対しても活用事例はあるのだろうか。ネット検索(下記)で分かったのは、支柱の上に網を張り、目的の動物が網の下に来た時を見計らい、上から遠隔操作で網を落として捕獲するという仕掛けだということ。囲いわなの一種であるらしい。気になるシカ捕獲についても既に何年も前から試されていることが分かった。ワナが作動した後に網が巾着状に絞られ、捕獲されたシカを絡めとる。ハンター不足の昨今、資格や高度な技能を要せず、誰でも繰り返し捕獲できることがメリットだという。


一方、網で包まれたシカはどうだろう?網でグルグル巻きになっては逃げるに逃げられず、もがけばもがくほど網は身体に絡みつくことも考えられる。苦しみながらも生きているシカは、その後、撲殺されるのだそうだ。あまりに非情な捕獲法ではないか。

私たちは、仲間のハンターから「狩猟の作法」という言葉があることを学んできた。動物の殺生にあたり、作法は沢山あると聞く。その第一は「クリーンキル」。できるだけ苦しめない捕獲が理想であり、そのために、心あるハンターは、狙撃ポイントを「一撃」で仕留めるための修練を積んでいるのだと聞いている。



昔は「神の使い」とも言われ、崇められていたシカたち。増えたばかりに害獣といわれるようになってしまったが、昔も今もリスペクトされるべき命であることに変わりはない筈だ。 

 

遠隔操作できるドロップネット方式によるシカ捕獲装置 - 兵庫県立工業技術センター (hyogo-kg.jp)

兵庫県 新型シカ捕獲装置(ドロップネット)の問題点と利点 - 姫路猟友会 (3zoku.com)