地球上の様々な生物を生息環境と共に保全することを目的とする「国連生物多様性条約」の第15回締約国会議(COP15)が12月にカナダのモントリオールで開催される。
どれをとっても人間活動が関わっている。COP15では、生物多様性の損失を食い止める効果的で緊急の行動を各国が実施し、国際目標「30by30(サーティ バイ サーティ)」の採択を目指す。これは、2010年に名古屋市で開かれたCOP10で、2020年までに達成すべき20の個別目標を掲げた「愛知目標」に代わるものである。
※「30by30」とは、陸域と海域の面積をそれぞれ30%以上保全し、陸と海の生態系を一体的に守る。
By は、期限を示す「30年まで」の意味。ちなみに日本は現在、陸域20.5%、海域13.3%が保全されている。
当目標が実現できれば、生物の絶滅リスクを3割程度減らせるという。国立公園や国定公園などの保護地域を広げられれば到達しそうだが、地権者等の意向もあり、簡単ではない。そこで、国は民間が管理する社有林や里地里山、企業緑地等を「自然共生サイト(OECM)」として認定し(2023年度から)、保護地域と認定地域を合わせ、30%を目指す。民間や市民社会の力を借りようというわけだ。認定されれば、生物多様性の維持に協力的と評価され、投資を呼び込める可能性もあるという。
「自然共生サイト(OECM)」候補地の例は、・里地里山・企業の水源の森・ビオトープ・ゴルフ場・スキー場・研究機関の森林・遊水地・河川敷・屋上緑地・社寺林など。
人間が食料や医薬品、エネルギーなどに利用している野生生物は約5万種。絶滅が危惧される種は3716種。今後も同様の恩恵を野生生物に望むであれば、人間は何としても生物多様性の維持に努めなければならないだろう。
参考資料:環境省HP 30by30|環境省 (env.go.jp)、 読売新聞(2022.8.23朝刊)
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