狩猟用鉛弾。2025年度から全国で使用規制


2022116日の読売新聞は、狩猟で使われた鉛の銃弾をオオワシなど希少な猛禽類がのみ込んで鉛中毒になるのを防ぐため、環境省が2025年度から全国で鉛弾使用を規制する方針を決めたことを報じた。


オオワシの写真
オオワシ

北海道では既に2000年にエゾシカ猟での鉛弾の使用を禁止。翌年には鉛散弾の使用も禁止し、2014年には鉛弾の所持も禁止している。

鉛弾の代わりになるのは無害弾である銅弾だが、鉛弾の約2倍の価格。ハンターの負担は大きくなる。しかし、地元ハンターは協力的だったという。「ワシやタカを保護することも猟友会の責務だ」とする猟友会の「生物多様性を確保する」という鳥獣法の精神が貫かれているのだろう。



エゾシカ倶楽部がワシ達の悲惨な事実を知ったのは20161210日。たまたま参加した「きたネットフォーラム2016」である。当日の講師である猛禽類医学研究所の斎藤慶輔代表が長年にわたり訴え続けてきた鉛弾規制の活動に関心を持った。「野の者は野に返す」という代表の崩れざる信念。エゾシカに係わる者として見過ごしにできない情報でもあった。以後、微力ながらも私たちに出来ることがあればと実施したのが、当倶楽部HPに斎藤先生の講演要旨の掲載。鉛弾規制を全国に広げるための署名運動。そして、2018年に行った斎藤慶輔代表の活動を紹介するエゾシカフェスタである(それ以前から既に有名人ではあったが)。

斎藤慶介代表の写真
斎藤慶介代表


鉛弾をめぐる事案との出会いから6年余。今、こうして斎藤慶輔代表の20年にわたる悲願が実る段階に入ったことに感慨を深くしないではいられない。