モノの本によれば、クマザサは1600年も前から中国で漢方として用いられているそうだ。それを知った笹採り3人組。雪の降る前にもう少し採っておこうと、またまた、郊外へ出かけて行った。仲間のKさんは、笹を洗って乾しておくだけで家中に芳香が漂い、心の癒しになるという。最近、清涼飲料水としてペットボトル(500㎖)で販売されていることも知った。それを、エゾシカ仲間の森裕子さんから頂いたのだが、ボトル表示には「BEAR BAMBOO GRASS TER」とあり、まさに納得!文句の付けようがない直訳だ。
この美味しさと効能を伝えようとクマザサなら、そこら中にある那須の同級生に電話で吹聴したところ、「だけどね…」と返ってきた。那須は10年前の福島原発事故のあおりを受けて、山菜などの山の恵みを採取する人は、今では誰もいないとの事。放射能汚染…永遠ではないとしても、半減期を繰り返しながら減っていくことを考えれば、元に戻るまでには気の遠くなるような年月がかかる。セシウム137は半分の量に減るまでに30年間、カリウム40に至っては13億年もかかる(中学生・高校生のための放射能副読本(H30.9 文部科学省)。美しかった那須山、栄えていた温泉街、老いていく友…楽しかった日々が一瞬にして遠い幻に。大好きだった同級生たちとクマザサ薬効を語り合いたかった。
鶴居村のハンター坂本達也さんの写真。殺菌力があるので、お漬物の蓋代わりに。美味しく安全にお漬物を守ってくれるでしょうね 。