先日、この欄でDVD「アフターデイズ」の論理を元に、新型コロナの襲来は、地球から人間を追い出すための天の差配ではないかと書いたが、それが満更でもないような気がしてきた。国立環境研究所の資料「温暖化と生物の絶滅(2015年)」を見つけたからだ。執筆者は、国立環境研究所生物生態系研究センター 主席研究員(室長)五箇公一氏だ。
人間は生物のいない世界では生きていけない。生命活動に必須の酸素や水は勿論のこと、農作物、医薬品の素材となる植物、微生物などの遺伝子資源や、美しい風景など、人間社会に不可欠な資源と機能を提供しているのは全て生態系である。その生態系ピラミッドの頂点に君臨するのは猛禽類だとばかり思っていたが、その上に「人間」が、居座っていようとは!しかも、爆発した人口を抱えてである。(以下、引用させていただく)
本来、地球上の生物は、生態系というシステムの中で物質とエネルギーの循環を行い、その生息数のバランスをとっている。
太陽エネルギーによって、植物が二酸化炭素と無機物から酸素と有機物を作り出し、それを一次消費者である草食動物が利用、その草食動物を高次消費者である肉食動物が利用するという生物の階層性が構築される。
各階層で利用できるエネルギーと物質には限りがあるので、必然的に個体数も制限され、高次消費者になるほど個体数が少なくなるという生態系ピラミッドが造られていた。
ところが人間の人口が爆発的に増加した現代、このような生態系ピラミッドは完全に崩壊。巨大な消費者の傘として人間は生態系の頂点にのしかかっている。これだけ巨大な人口を支えるには太陽光だけでは足りず、人間は化石燃料を掘り出して、資源として燃焼し続けている。そして、大量の食糧を確保するための乱獲、農業面積の拡大、大量消費に伴う廃棄物の環境中への放出など、重圧な環境負荷が自然生態系の循環システムを完全に狂わせている。(環境省WEBページ「ココが知りたい地球温暖化 #11 温暖化と生物の絶滅」)
これでは、人間を頂点とした不安定な生態系ピラミッドはいつ崩壊するかわからない。
取り返しのつかない事態が起きる前に、私たちにも出来ることがあれば身近なところから取り組んでいきたい。
※1600年時(関ケ原の戦い)の世界人口は15億人、産業革命頃から劇的に増加し、現在76億人。1年で8300万人増えている。