昨年6月27日。北海道医療大学准教授で漢方の専門家 堀田 清先生を講師に迎え、水餃子イベントを実施したところですが、一年を経て今年もまた、7月7日にエゾシカと山菜が出会い、参加者38名で「七夕イベント」を繰り広げました。この日のために、大阪から、千葉県からも参加してくださった方がいらしたのは感激でした。この方々は堀田先生のブログを読まれての参加です。
折角ですから、先生のブログも紹介しておきます。
増えたエゾシカは減らしてあげなければ可哀想→減らせば鹿も助かる→森も守られ、生物多様性が守られる→豊かになった森で山菜・薬草も守られる→これらの野草は人の健康を守る→エゾシカ肉を食べることで人間は健康になれる→エゾシカの命は人間の体の筋肉や骨となって生きるうえ、身体を温め人を健康にする→健康な人が多くなれば医療費が減る→日本の乏しい財源を救う一端となる。
まさに循環型社会。SDGsの理念にもぴったり。僕は以前からこのことを世間に訴えたかった。それをエゾシカ倶楽部が拾ってくれ、実現させてくれる。あなた方の活動に感謝ですよと言われました。思ってもみなかった有難いお言葉!ともあれ、私たちの活動が漢方専門家の理想実現に役立ち、こんな風に評価されるなんてやりがいがあります。
(以下:先生のお話から。漢方についての詳しい説明は昨年の講座からどうぞ)
人間がエゾシカの天敵である狼を絶滅したこと、人間のもたらした温暖化によりエゾシカが増え続けている。結果として森の貴重な植物たちが減るばかりではなく生態さえ乱している・・・というのが大前提なんですよ。だとすれば、鹿肉を狼の代わりに食べてあげるのが人間の責務!さらに、鹿肉は脂肪分が少なくヘルシーなうえ、鉄分などのミネラルも豊富で・・・なにより羊肉以上に体を温める作用があるので冷え性にはバッチリですよ!
北海道に自生する当帰(セリ科)もまた漢方薬で婦人薬に欠かせぬ重要な薬草であり葉っぱは山菜。
今回使うシャク(セリ科)も小豆菜(ユリ科)も一級品の山菜であり薬草(堀田清の薬草帖参照)です。
この貴重な薬草を減らしているのがエゾシカなんですね。増えすぎたエゾシカだって飢えて困っている。
なので、人間が食べて減らしてあげることはエゾシカにとっても好ましいことなんです。
飢えて困っているエゾシカを食べればエゾシカも喜ぶし、健康になった人間も笑顔になれる⇒何より貴重な山菜が増えて森も喜ぶ。エゾシカも人間も森も喜ぶイベントなんですね。
しかも、冷えは万病の元(漢方では常識中の常識)で日本人の70%くらいは冷え性なんです。なので、エゾシカ肉&当帰&山菜入り水餃子(油を使わない量であることが重要)を食べ続ければ、冷え性は改善され病気が減ることに!
これって長い時間軸では日本の国益を損なっている一番の原因である医療費削減に大きく貢献できる。もしもこの循環が普通になれば・・・地球も喜ぶ(笑)。困るのは製薬会社&お医者さん(笑)。こんなすばらしいお話はめったにないと思いますね(笑)。いかがでしょうか?と豪快に笑い飛ばしてエゾシカと野草によるコラボの効用を説く堀田先生。
「当帰、小豆菜、笏(しゃく)とエゾシカ肉のスープは即効性ありでした。私は夜中まで足が火照って眠れませんでしたよ」これも先生の後日談でした(笑)。 そうそう、途中で先生が道新に好評連載中の「薬草帖」について掲載された読者の投稿が読み上げられた一場面があったことを書き添えておきますね。
●以下のコメントが寄せられました。横浜のナカムラアキさんからです。
狩られる事が、エゾシカにとって幸せなのは、正論です。
それが、適正量を超えていたとしても、彼等は本能で、繁殖できる最大能力を費やして、子孫を残します。
適正量を管理できるのは、我々人間のみです。
先日、九州で地元ハンターに、美味しく流通させる、正しい狩猟を指導している職業猟師に、お話を伺いました。
ただ撃って、斃せば良いって云うのは、間違いから、始めたそうです。
適正量を管理する以上、正しい狩猟の啓蒙が必要ですね。
(武田返信)
もっと生きたかったであろうシカを思えば、目と耳の間を一瞬にして撃つ。シカ自身が生きているのか死んでいるのかわからない状態での安楽死が最善。内臓を撃って苦しませるようなことは避けたいですね。血が回ってジビエにしても美味しくないと聞いています。美味しいジビエは一にも二にもハンターさんの技量にかかっていると思います。無駄死には哀れです。
(ナカムラ氏)
本当は、狼による、自然淘汰が一番です。
病気等で弱っている物、遺伝的に優れぬ物から狩られていきます。
それによって、生態秩序が整えられていきます。本来、生態系は、そうあるべきです。
鉄砲による猟では、そうはいかず、美味しそうな、遺伝的に優れた物から、狩られ易い傾向がありますね。
(武田返信)
全くその通りですね。以前読んだ桑原康生氏著作の「オオカミの謎」にそうありました。
オオカミハンターが自然界には理想ですね。