国産ジビエの消費を後押し!国が認証制度。


国産ジビエの認証マーク
国産ジビエの認証マーク

農水省がジビエ普及にいよいよ本腰を入れてきた。農水省の広報誌「aff」1月号では、ジビエの特集を組むなど、ジビエPRに全力投球!そして、早ければ7月にも野生鳥獣肉に国が安全のお墨付きを与える「国産ジビエ認証制度」スタートさせる見通しだ。北海道には「エゾシカ肉処理施設認証制度」が既にあるが、今回は全国版。シカやイノシシを解体処理する際、衛生管理などの基準を満たしたジビエとその加工品に対して認定マークを付け、肉の安全性を保障するのが目的。農水省が公認した認証機関が「野生鳥獣肉衛生管理指針(厚労省)」の基準に適合するかを書類と現地審査で食肉処理施設を認証する。認証施設で処理されたジビエやそれを使った加工食品には認証マークが付く。「野生鳥獣肉衛生管理指針」については、当HP「ジビエブーム到来か。国が衛生管理に関する指針」を参照して欲しい。 


 急がなければならないのだ。被害防止を目的としたシカやイノシシの捕獲数は増加しているものの、その多くは土に埋めたり、焼却されたりで、ジビエとしての利用は1割程度と少ないのだから。活用されることなく命を奪われる野生の動物にとっても不幸だし、鳥獣被害に苦しむ農山村に住む営農者の意欲も削ぐ。耕作放棄・離農の増加を防ぐには、農山村の所得向上を期待できる施策が必要なのである。


 いま、世界が目指すものは持続可能な循環型社会だ。廃棄して終わりではない社会の仕組みを整えなければならない。野生の命に関しても同様だ。それには、一段の環境整備が望まれる。何よりも消費者や飲食店が野生肉に対して抱えている衛生面への不安を払拭しなければならない。その点でマークの付いた「認証ジビエ」商品は、消費者に安心感をもたらし、事業者は胸を張って販売できるというメリットがある。初の全国統一認証制度の導入は、ジビエ需要の拡大を後押しし、ひいては農山村の振興にも結び付くのではないだろうか。