例年より早く桜前線が到着するとの予報の中、桜より一足早く、はまなすが咲きました!!
4月27日、はまなす食品の永田吉則社長を講師にお招きしての講座を開催しました。「おみやげあります」に胸ふくらませて集まった受講者でほぼ満席です。
標題は「私とエゾシカと納豆と北海道」
まず「私」。187cm、長身で細身の永田社長が飄々とした語り口で、ノーベル賞を目指した学生時代、様々な部署を経験した道庁時代をお話しくださると、私達はすぐに、永田社長の軽妙な語り口に魅了されていきました。
そして「エゾシカ」のこと。
はまなす食品は、皆さま、ご存知の通り、納豆で有名な会社ですが、実は、永田社長は納豆よりシカ肉のほうに縁した方が早く、道庁時代にエゾシカ加工食品開発事業を担当されたことに始まります。ですから、エゾシカの行政対策やエゾシカ肉そのものにも精通されています。
永田社長はおっしゃいました。
「エゾシカは乱獲と保護の繰り返しで、結果、増えすぎ、農業を始めとする多方面に被害が拡大した。適正数を確保することとエゾシカの利用拡大することが大切」と。適正数であることは、この北海道で共に暮らす人間にとっても、食料が限られる冬を乗り切らねばならないエゾシカ自身にとっても必要なことです。
この4月に道環境生活部エゾシカ対策課から出された資料によると、利活用率( 捕獲頭数に占める食肉処理頭数) はわずか2割です。エゾシカの命の全てを活かしたいとの思いを強くする、永田社長にも当倶楽部にとっても、この数字は今後の大きな課題と受け止めざるを得ません。
永田社長は、地域文化への昇華を提唱されました。学校給食もその1つ。学校給食に利用することは、単純に消費量の増加だけでなく食育という面からも大きな効果をもたらすでしょう。そして、親から子へと代々受け継がれていく。それが「文化」なのですと強調されました。心に残る言葉です。
北海道消費者協会でも取り組んでいる高等学校に向けてのエゾシカ講座。学校で開催させていた頂く価値を改めて感じました。
いよいよ「納豆」です。
コープさっぽろが中心になって設立した官民共同出資会社が「はまなす食品株式会社」だそうで、そこで、納豆作りと、障害者の雇用や職業訓練に取り組まれます。実は永田社長、納豆が苦手!!
でも苦手だからこそ、永田社長が美味しいと思う納豆は誰もが美味しいと感じる納豆であると、日々、アイデアを出し、製品開発に取り組まれています。
季節限定シリーズ~春は桜、夏はレモン、秋はキノコ、冬は柚子。
極め付けはお正月の金粉黒豆納豆!
ぜひ、全種類、制覇してみたいと思いました。納豆は健康食品としてはもちろん、女性に人気の「アンチエイジング」の食品として、近年、とみに消費量が増えています。
ただ、たくさん食べたい、だから、安い納豆を沢山買う、ではダメなのです。「どこでどのように育てられた材料で、どのようにして作られたか」が大切ですね。愛情こめて育てた食材をを、手間かけて製品にしたものに対価を払って、大切に「いただく」…そういう食文化が大切だと改めて感じさせていただきました。
そのような「食文化」を発信するには最適な「北海道」
永田社長は「アジアの宝」とおっしゃいました。
「焦る、後追い、誤る」の3つの「あ」をやめて、夢と希望をもち連携して立ち向かう覚悟と実行カを持ちましょう!
エゾシカも納豆も、北海道も、はまなす食品も北海道エゾシカ倶楽部も、必ずや大きな花を咲かせるはすです!
永田社長の言葉をお聞きしていると、パワーがわいてきました!
永田社長いちおしの「梅納豆」に、訓練生が企画制作したという可愛い納豆ポーチと、アイディア満載の納豆レシピ日めくりカレンダーのお土産をいただき、頭も心もたっぷり満たされた講座でした。ほんとにありがとうございました。
はまなす食品、次の新商品は、イカ納豆ならぬ「シカ納豆」では?!ぜひ当倶楽部と連携して実現させましょう!! (森 裕子)