3月4日の北海道新聞は、ジビエのビジネス化を進める農水省が初めて調査した野生鳥獣肉(ジビエ)の利用状況の結果を伝えている。それによるとH28年度に利用された肉は全国で1283万トンあり、都道府県ではエゾシカの多い北海道が最多だったという。農村振興のためH31年度には利用を倍増させたいというのが政府の目標。それには消費者の安心感が欠かせない。そのために道は、優れた衛生管理を行うエゾシカ肉の加工処理施設を独自認証する制度をH27年12月に創設。準備期間を経て、平成28年10月に初めての認証施設の決定を行い、運用を開始。10月14日には、認証を受けた施設で加工処理されたシカ肉をPRするロゴマークを発表した。ロゴマークの付いた生肉、ソーセージやジャーキーなどの加工品は行政のお墨付き。消費者にとっては、勿論のこと、流通業者にとっても安心感のあるビジネスができる筈だ。一方、加工処理施設にとっては、厳しい基準をクリアする必要がある。
その条件は以下の通り。(北海道環境局エゾシカ対策課HPより抜粋)
1.道内に食肉処理施設を設置する食肉処理事業者であること。
2.エゾシカ衛生処理マニュアル(平成18年10月北海道作成)を遵守していること。
3.北海道HACCP(北海道保健福祉部)で、評価段階A以上を取得していること。
4.出荷する製品について、書面上でトレーサビリティが可能であること。
さて、道内に食肉処理施設は100か所くらいあると聞く。その内、認証された施設はどのくらいあるだろうか。エゾシカ対策課HPによれば、H28年10月31日時点で7施設。以後、4施設(H28.12.月22)と増えて、H29.12月には.登別と池田町が新たに認証されたので、現在13施設となっている。1割ちょっとの認証率でしかないが、どの認証施設も規模が大きいため、流通量で考えると、かなりの量が認証施設から出荷されていると北海道は考えているようだ。ジビエ利用で北海道が最多だったという嬉しいニュースの元締めは認証制度の成果だったようですね。