「安全シカ肉、北海道がお墨付き 販路拡大へ認証制度」
2016.1.23の北海道新聞朝刊一面に、こんな文字が躍りました!
記事によると北海道が新年度から、エゾシカ肉のブランド力向上のため、適切な衛生管理を行っている道内の食肉処理施設を対象に認証制度を導入するとのこと。野生肉の安全性を公的機関が保証するとなれば、消費者も安心、流通業界の信頼も高まり、消費や販路の拡大につながる可能性がありますね。制度のスタートは9月以降の見込みとか。
なにせ、野生の肉ですからね。消費者の安全・安心に対する疑念は、今までもこれからもちょっとやそっとのものではありません。そうした懸念を払拭し、野生肉をテーブルミートにまで押し上げるためには、公的努力が必要です。だから、認証施設要件も、ちょっとやそっとのものではありませんよ。要件は以下の通り。
(1)道の自主衛生管理システム「北海道HACCP(ハサップ)」で評価段階
A以上を取得。
(2)道が作成したエゾシカ衛生処理マニュアルの順守。
(3)商品表示や納入伝票から捕獲場所や狩猟者、解体時の状況や製造日を調
べられるトレーサビリティー(生産履歴)体制の確立。
*毎年7~8月に申請を受け付け、保健所などの現地審査を経て認定。
期間は3年ごとの更新制。
これまでも認証制度がなかったわけではありません。2007年度から一般社団法人「エゾシカ協会」が、その役割を担ってきました。大手スーパーなどで販売されてきた加工品や生肉に付いていた「エゾシカ協会」の認証マークをご覧になった方もおいででしょう。このマークは新制度のスタートで変わることになります。(現在、道が「エゾシカ肉処理施設認証制度」ロゴマークデザイン募集中。)
さて、どんな制度も、活用する人あってこそ!機能するかどうかは一重に消費者の商品選択力にかかっています。環境全体を考えた行動や商品選択をする消費者を「グリーンコンシューマー」といいますが、シカ肉を購入し、食べる消費者は、まさに北海道の典型的グリーンコンシューマーといえるでしょう。地産地消でフードマイレージゼロ。そのうえ北海道の緑を守り、環境保全に一役買うことに繋がるからです。
何しろ、2013年度のエゾシカ捕獲数は13万2千頭。森を荒らす厄介者を減らすことはできたものの、今度は捕獲後の処理に各自治体は頭を悩ませているようです。何故なら、駆除捕獲後の死骸は一般廃棄物になるため、その処理は市町村に任されているからです。死骸を焼くには大変な油を必要とするし、埋めるにしても13万頭ものシカを何処にどうやって埋めるか。大量に埋設すれば、水質汚濁、悪臭などの環境汚染の拡大、病原菌伝播による人畜への被害をもたらしかねません。
そんなこんなを考えれば、ここはやっぱり消費者の出番!
目指しませんか。グリーンコンシューマー!
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