「誰一人取り残さない(取り残されない)」とのビジョンのもと、2030年までに国際社会が目指す共通目標として、国連で「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択されてから3年を迎えた。当倶楽部では、2019年1月22日、「札幌市のSDGsの取り組みと今後の展開について」をテーマに、札幌市環境局 環境都市推進部 環境計画課 調査担当係長 佐竹輝洋氏を講師に迎え勉強会を催した。
「最近の気温上昇、気候変動など地球がおかしいと思いませんか」との問いから講演は始まった。SDGsが生まれた背景には国際社会の強い危機感がある。
このままでは、人間の生命を維持している地球の機能そのものが崩壊してしまうという危機感だ。既に、農業に必要なリン、窒素は地球から無くなりつつある。生き物の絶滅スピードは加速化。1975年には年間1000種、それ以後現在まで年間40,000種と驚くべき速さで進んでいる。それに引き換え、人口は増え続けている。1600年時(関ケ原の戦い)の世界人口は15億人、産業革命頃から劇的に増加し、現在76億人。1年で8300万人増えている。これは、日本の人口をたった2年でカバーしてしまう数字だ。私たちは、その中で資源を分け合って暮らさなければならない。
社会が成り立つためには、自然環境が成り立っていることが前提となる。これまで、人間は化石燃料や化学肥料、水資源を大量に使って経済成長を追い求め、地球に負担をかけてきた。このままでは人類はもはや立ち行かなくなる。2018年はSDGs元年。2030年まで、あと12年。それまでに何ができるか。全ての人ができることから取り組んでいく。どんな人にも役割は必ずある。
環境問題の解決は、それにとどまらず経済、社会、教育へと様々な分野に波及していく!”同時解決”” これがSDGsの考え方!
「誰一人取り残さない」「取り残されない」誰しもが世界全体のことを考えて行動していく!誰しもがモノを言える社会!
上記ツリーは樹の幹がガバナンス、木の枝が環境、社会、経済の3種構造を示している。環境が3層の根底にあり、社会、経済活動がそれに依拠している様子を表したもの。カラフルな四角のアイコンはSDGsの様々な目標を示す。1つの目標への取り組みが他の目標の達成に寄与することにもなり、枝葉が伸びるように相互に関連しあっている。2030年の世界が目指す姿が一見して掴めるものとなっている。
食品ロスの減少を目指そう。野菜の形が悪い?消費期限切れ?食べ残し?→廃棄 札幌では年間2万トン(2016年)!
SDGsは世界の共通言語。当倶楽部の活動もSDGsの流れの中、多様な分野への広がりが期待されている。
公益社団法人 札幌消費者協会「北海道エゾシカ倶楽部」 代表 武田佳世子
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