前から欲しいと思っていたエゾシカ革を仲間数人で買いに行きました。タンニン鞣しをした後の無着色の革(一般的に「ヌメ革」と呼ばれている)。どれを見ても沢山の傷痕があります。
なにせ彼らは野生のシカ。野越え山越え、北海道の大自然を駆けめぐり、飛び回っていたアスリートたちです。傷があって当たり前。ダニが寄生して付けた傷。木の枝に引っかかってついた擦り傷。仲間うちでの喧嘩も数知れず。というわけで、引っ掻き傷の多いこと。銃弾が貫通した痕だってある。これでは一枚の革から利用できる部分はたかが知れたもの。シカ革製品が高額なのも納得です。
買ったお店は「あぐら家具」。シカ革デザイナー原ななえさんのお店です。
驚いたことに・・・
傷だらけのシカ革が原さんの手で、素敵なバッグや愛らしい小物たちに生まれ変わっていました。
「シカ革購入でわかったこと」
「シボ」
革の表面に凸凹と不規則なシワ模様。筋が浮き出た部分です。これを目にしただけで「このシカは高齢だ」とわかるのだそうです。理由は素人でもわかり易いやすいものでした。若いシカは革の表面がきめ細やか。すべすべしていて凸凹したシワなんか無いんですって。要するに人間の肌と同じ。ところが、若さが美徳でないところが革の世界の奥深いところ。革製品に通な人間様は、年老いた動物に特有の「シボ」を好むんですって。「シボ」を求めてわざわざ型押し(スタンプ)することもあるそうです。
「価格の決まり方」
私たちが購入した革の裏面です。「101dm2」と書かれたシールが貼ってあります。101デシ平方メートルと読み、購入した革の大きさ(面積)を表しています。 *(1 dmは1 m の1/10→10 cm。 10 cm×10 cmの面積は1デシ平方メートル(1dm2 = 100cm2) .
①10cm×10cmを1単位で表し、この正方形を1デシと言う。
②1枚の革の中にデシ(100cm2)の数がどれだけあるか。その数量で革の大きさが決まる。
④革の裏の数字「101」はデシ数。これが私たちが購入した革のサイズ。
⑤デシ数×単価+消費税=価格となります。
■ご参考までに
「デシ」の単位は、私たちに普段なじみのないもの。イメージ作りにはハガキが役に立ちそうです。
ハガキの大きさは10cm×15cm。縦長の方を3分の2のところで折り曲げると、10cm×10cmの正方形になります。これが 「1平方デシメートル」。ハガキの面積は 1.5平方デシメートル。如何でしょうか。
*穴はデシ数には含めません。
「デシ」の単位は、私たちに普段なじみのないものです。イメージ作りにはハガキが役に立ちそうです。ハガキの大きさは10cm×15cm。縦長の方を3分の2のところで折り曲げると、10cm×10cmの正方形になります。これが 「1平方デシメートル」。ハガキの面積は 1.5平方デシメートル。如何でしょうか。
■保管
高温多湿を避け、風通しの良い冷暗所でとの注意がありました。これは変色を防ぐため。明るい場所で保管していると日焼けするから
です。
実際に購入した革もレッグ部分が赤茶色に多少ですが変色していました。
公益社団法人 札幌消費者協会「北海道エゾシカ倶楽部」 代表 武田佳世子
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