2014.6.15 菊地隆様(エゾシカ利活用協議会代表理事)から、「エゾシカ皮の利活用について」講義をしていただきました。
菊地氏は、有害鳥獣対象となっているエゾシカに対し、食肉としての有効利用以外にも皮革としての活用を見出し、これらを加工・製品化して、今後北海道ブランドとして、広く認知または確立するべく活動を行っています。
菊地氏は、もとはアパレル関係のプランナーで、6年前に「個体数管理で絶たれるエゾシカの生命を、新たな命を吹き込んであげたい」と思い立ち、エゾシカとの「共生社会」目指す現活動を行っている方です。
講義の中で、現在道内では、エゾシカの捕獲頭数に対して、まだ12%しか食肉として流通していないと言われており、さらに原皮にいたっては、3%しか流通していないのが現状で、今後は官公庁、関連業者との連携を図り、エゾシカ皮革の活用・流通の拡大に努めていきたいとのこと。
その事例として、2012年に国内屈指のファションショーである「東京コレクション」において、道内出身のデザイナーによる、エゾシカ革を使用した衣装を披露したり、また菊地自身氏がエゾシカ被害が大きな自治体に赴き、エゾシカ皮革の有効活用についての講演や、エゾシカレザー製品の披露などをおこない、エゾシカ革の魅力の発信を行っているとのことです。
エゾシカレザーは、「しなやか」「洗える」「硬くならない」などの特徴を備えており、この皮革を用いた、財布、小物入れ、衣装、椅子などが既に製品化・販売されており、今後も北海道発のブランド製品としてエゾシカレザーの魅力発信の推進に取り組まれるそうです。
さらに、鹿皮の活用は、書道用の墨(硯で擦って使う固形の物)としても使用されており、エゾシカ皮の様々な活用に関して学ぶことができた、まさに「目からうろこ!」の有益かつ充実した学習会でした。
(東野剛己)
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