7/17(日)皮革の専門家であるエゾプロダクト代表取締役 菊地 隆氏を講師に迎えて学習会を行った。氏は大学卒業後、アパレルメーカで働いていたが、年間14万頭ものエゾシカが捕獲されながら、その殆どが皮付きのまま、廃棄されていることを知り、素朴な疑問を抱く。シカも尊い命、道徳的にもこれでいいのかと。撃たれてゴミになる彼らの命を皮革製品として生まれ変わらせることで人に大切に使ってもらえるなら、それが、本当の意味での循環型社会のありようではないか。退職した氏は、貯金を元手に皮革製品製造の事業を起こす。「命を繋ぐ」がコンセプト。背景にある哲学はエシカルとサスティナブル。エシカルは倫理、道徳を、サスティナブルは継続性を意味する。この両方を兼ね備えた製品づくりがしたかった。7年前のことである。
当時は、エゾシカ皮利用などまだまだ未知の分野。開拓者につきものの辛酸を味わうことになる。皮を集めるのも大変な苦労があった。道内に鞣す場所は無いから本州の業者に頼む。しかし、1枚2枚では受け付けてもらえない。鞣しには100枚単位での注文が条件と筆者は他から聞いている。広い道内を駆け巡り、集めた皮の中には、カビが生えているものもあった。腐っている皮もあった。そして何よりも氏を苦しめたのは、心無い周囲からの揶揄であったろう。耐えなければ未来はない。来た道を引き返すことはしなかった。
そして今、氏は皮革専門家としてデザイナーとして、着々と活躍の舞台を広げている。道内市町村や学校関係は勿論のこと、遠く屋久島からも島で増え続けるヤクシカをどう活用したらよいかと相談さえ来るほどだ。この日、氏から得たものはエゾシカ知識とクラフト技能だけではない。信念を捨てないという人間学を学んだ思いだ。
菊地講師からは、「エゾシカの個体数管理と皮革としての活用」について、素人には知りえない貴重な現場の知識をたっぷりと伺うことができた。そして、いよいよお待ちかねのストラップづくり。こちらは画像でどうぞ。
フェイスブック仲間の荒川真由美さんが当日、会場に立ち寄ってくださいました。美味しいお菓子をおみやげに!
ご一緒に作業することはお仕事の都合で叶いませんでしたが、温かいエールに参加者一同感激でした。元気も出ました!
フェイスブックに書いてくださいました荒川さんの言葉をご紹介させていただきます。
エゾシカ クラフト教室に立ち寄ってきました♪ 久しぶりに会った方々と雑談していたらパンフレットを手に「エゾシカの会場は、こちらですか?」と♪♪
飛び込みの参加者さまもいらして、きっと楽しいクラフト教室になったと思います♪
わたしは残念ながら夜勤に出勤の為…参加できず顔出し応援のみ♪
久しぶりに、会えただけでも楽しかったです♪
そして、みなさんのコツコツ…が、愛おしく大好きなんです。
公益社団法人 札幌消費者協会「北海道エゾシカ倶楽部」 代表 武田佳世子
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