たかが標識!されど標識!「動物注意」道路標識の謎


当倶楽部に寄せられた質問に答える(2021.7.6)


当倶楽部には、様々な質問が寄せられる。その一つに「動物の飛び出し注意を呼び掛ける警戒標識」についての問い合わせがあった。「北海道にはエゾシカしかいないのに、標識にあるイラストのシカ角の向きが逆で、違和感覚える。これは海外のシカではないのか?


たかが標識!されど標識!今まで気にしたこともなかったが、言われてみればその通り。後方に向かって生えている筈のシカ角が標識では前向きだ。前向き角には森の王者の雰囲気も漂っていて悪くはない。イラストなんだからホンモノと違っていてもイイじゃない?とは思ったが、それでは倶楽部の面子が泣く。道外のシカ標識も気にかかる。地方により違うのか?当倶楽部副代表 森 裕子(旭川在住)と役割分担し、真相究明と相成った。まずは、ネット検索。似たような疑問を抱く人は大勢いるものだ。興味を惹かれる記事や見解も多々あったが、ここでは、道路標識の本家本元である国土交通省のHPを参照、また、地元開発局に訊いてみた結果を記載する。


国道12号(撮影者:森 裕子)
国道12号(撮影者:森 裕子)

・標識は国土交通省の「標識令」に則って定められている。 

・当該標識は「警戒標識」の一つ。    

・標識令は、1963年に国際連合道路標識を取り入れる形で改正された。

 その理由は、世界を旅する人は国際免許を持って多国間を移動するからである。

 国境を越えるたびに、標識が違っていては厄介。却って事故が起きやすくなる。

・従って、日本の道路標識は国連で定められたものを使用(国連標識)。

国連標識なので、シカの図柄は日本のシカをモデルにしていない。

 図柄のシカの種類までは不明。

・ただし、道路管理者の判断で独自に角の向きを直すことも不可能ではない。

 警告標識に描かれたシカ角の向きについては、有識者からも以前から指摘があり、道内に於いて

 は、数年前から新しく設置する場合には、シカ角の向きを変えるようになっている。

 従って、次第に更新されていく。(札幌市開発局)



【補助標識】

・本標識の下に設置されている。

・本標識と補助標識の両方で、標識の内容をとらえる必

 要がある → 動物注意



警戒標識(出典:国土交通省 道路標識一覧

「警告標識」については27種。

「動物が飛び出す恐れあり」は、シカのみ図柄指定。

・警戒標識は、道路管理者が設置している。国土交通省が担当するのは、

 高速道路と国道のうち指定区間(直轄国道)のみ。

直轄国道には、指定されたシカの図柄の標識だけが設置され、その他の道路では、各地域の管理者により適宜にデザインされた標識が設置されている。その他の道路管理者:国道のうち指定区間外と都道府県道は各都道府県、市町村道は各市町村。道路行政の簡単解説(国土交通省道路局)


「シカ」以外の動物が飛び出すおそれがある場合には、適宜、その動物の形状を表示する事になっているが、サル・タヌキ・ウサギについては標準があり、国土交通省が標準イラストを任意で配布している。

この4種類についてはなるべく標準のものを使い、これら以外の動物は、各道路管理者がその場所の実情にあわせて適宜製作し設置できる。

シカ ・ サル ・ タヌキ ・ ウサギ の標準イラスト
シカ ・ サル ・ タヌキ ・ ウサギ (補助標識 必要)


森 裕子氏写真
森 裕子氏

スピードと追い越し多発地帯で、車を止めて「警戒標識」撮影(怖かった!)。正式かどうか疑わしい看板は、道々や市道には立っています。微妙に図案が違ったり、かなり漫画チックなものもあり、標識から離れて、完璧な「看板」なものも多いです。中には違反なものもあるのかも知れません。標識タイプでも、国道でなければ、タヌキやキツネ、熊などは、図柄の種類は多いようです。「野生動物注意」の看板を探しながらドライブできたら楽しいかもしれません。(文・写真:森 裕子)


エゾシカ標識についてですが、国道は同じ図案ですが、その下の文字は違う様です。

「動物注意」「鹿飛び出し注意」「鹿跳び出し注意」

などなど複数あります。国道、道々、市道はそれぞれに、規制とかに違いがあり、国、道、市の順に規制は緩く、看板の絵の自由度は増すようで、動物注意の看板にも、多種多様なものがあるようです。私が見た範囲で、国道12号、道々4号、237号に、国か道が設置したと思われる鹿注意の看板は、全て、エゾシカではない図柄の(角が一本)一種類だと思います。旭川市神居古潭の国道12号は、スピードと追い越し多発地帯で動物注意の標識は、車線が1車線地点に立っていることが多く、車を止めての撮影はなかなかできません(怖い!)。 写真は道道4号で撮影。


 長男情報では、道央道(高速)には、斑点のある鹿の標識があるそうですが、「写真撮れない?」と言ったら100キロで走ってるのに撮れるか!高速だから止まれないし」と呆れられました。たしかに…設置されている箇所がしっかりわかっていること、助手席に乗っている人が撮影してくれることの条件があえば、その地点で減速して撮影できるかも…ですね。


【動物の死骸を道路で発見したら!】

国道5号(撮影:武田)の写真
国道5号(撮影:武田)

道路緊急ダイヤル(#9910)

・エゾシカなど動物の死骸を道路で発見!

・通話は無料、受付は24時間。

日本全国から連絡可能な道路緊急ダイヤルに連絡すれば、最寄りの国土交通省地方整備局につながり、対応して

 くれる。発見地点の住所は、お手元の地図アプリで、どうぞ!