西興部養鹿研究会の中原様のご案内で、野生動物を解体・食肉加工を行う鳥獣処理加工センター「西興部ワイルドミート」を見学しました。 この施設は2年前に完成、保健所の許可を受け野生鳥獣の処理と特産品を試作する加工機能を併設した施設で、村の指定管理者として「西興部村養鹿研究会」が運営しています。
西興部村の猟区で狩猟されたエゾシカは全てこの施設に持ち込まれ、2時間以内に血抜・内臓摘出など衛生的な処理ができます。さらにこの施設は、「エゾシカ衛生処理マニュアル」(北海道、2006年)を遵守している衛生的な処理・加工のシステムの採用している認証処理場として「社団法人エゾシカ協会」のお墨付きも貰っており、常に安全・安心な美味しい鹿肉の提供が可能となっています。
この施設の設備として、野生鳥獣の解体施設と冷蔵冷凍施設と加工施設を有しています。 村内外のハンターが狩猟したシカや熊などを解体する時の施設の提供と、これらの肉を冷凍保存したり、さらには精肉、缶詰、ソーセージなど加工・製品化する機能も備えています。西興部の猟区で「ガイド付きハンティングツアー」に参加した道内外のハンターさんが、仕留めたエゾシカをここで解体して、肉を冷凍パックにして航空便などで持ち帰ることが多いそうです。
今回解体を見学したのは、ハンティングツアーで本州からの参加者が仕留めた雌シカ2頭でした。まず鹿の体重や身長などを測って、エゾシカの生態研究の資料として記録に残します。 次にシカの解体が始まりました。内臓の摘出、リンパや各臓器の状態から病気がないかを調べ、剥皮、大バラシ、抜骨までの作業を見学しました。
今までエゾシカのハンターが持ち込んだ肉といえば、渉猟したシカを車で自宅に持ち込み倉庫などで解体してそれを食肉にしていましたが、これらは既に血が固まり肉で生臭くて美味しくないと今まで言われ続けました。
しかし西興部村のように、ハンティング技術向上、衛生的な解体・加工施設の建設、シカ肉パーティーによるシカ肉料理の紹介による三位一体の取組みで、他の料理に負けない美味しいエゾシカ料理が可能となり、シカ肉の負のイメージが過去のものとなっていることを感じました。 (東野剛巳)
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平成26年度の総務省ふるさとづくり大賞団体表彰の副賞として、西興部村猟区管理協会のPR映像がyoutube地域づくりTVに掲載されました。ぜひご覧ください。
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