パーティーは18時半に開始、参加者170名(地元7割、地元以外は3割)で会場は埋めつくされ、最初に主催者である西興部養鹿研究会の会長の中原愼一様の挨拶に始まり、「養鹿研究会」の事業内容の説明がありました。
「西興部村養鹿研究会」とは、西興部村を活気づけようと1990年発足以来、地元に多数生息するエゾシカの飼育と食用化に取り組んでいる団体で、現在は鹿に関する学習の場としてエゾシカの放し飼いをしている「鹿牧場公園」の管理と、地元で捕獲された鹿を専用施設で解体し、冷凍肉や缶詰に加工して販売もしています。
次に、昨年2月から新たに就任となった菊池博村長からは、地元ハンターが400人前後ほどいるがエゾシカを駆除を継続するためにはまだ少ないこと、エゾシカとの共存と有効活用が西興部村の「地域再生計画」として策定されており、大変重要な施策であることを話されていました。
(西興部村地域再生計画)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/tiikisaisei/070704/02keikaku.pdf
関係者様の挨拶の後、待ちに待ったシカ肉料理が各回転テーブルの上に置かれました。
鹿肉料理は以下のメニューでした。
・シカロース肉の天麩羅
・シカもも肉のロースト
・シカばら肉のトマト煮込み
・鹿肉のしゃぶしゃぶ
・鹿ロースのソテー
・シカもも肉のチラシ寿司
6種類ものバラエティー豊かな鹿肉料理が奢られました。しかも、それぞれの料理がエゾシカの各部位の特徴を生かしながら味付けも異なるため、どの料理も個性豊かでまったく飽きがこない素晴らしい味でした。しかも、鉄分豊富、低脂肪、低カロリー、高タンパクで文句なしのヘルシー料理!!
また認知症や二日酔い予防するトリプトファンやナイアシンという成分も多く含まれており、これらの効果については今後の研究成果が待たれるところです。
エゾシカ対策の有効活用として、このような栄養豊富で病気などの予防効果もあるというのだから、知れば知るほどシカ肉料理の魅力に憑かれてしまいます。しかもシカ角は中国では滋養強壮の漢方薬として重宝されているというオマケ付き。
これらの絶品料理は、西興部村の取り組みによって狩猟から食肉加工までの過程が、迅速な血抜きや衛生的な加工により良質の鹿肉の産出を可能としていることと、鹿肉料理について日々研鑽している料理長の努力との賜物ではないかとも思いました。
このようなことから、北海道に過剰に生息するエゾシカが、西興部のような処理方法や料理方法によるおいしい鹿肉料理が低価格で広まったら、地産地消料理として北海道の食文化に根付くに違いないと感じました。
公益社団法人 札幌消費者協会「北海道エゾシカ倶楽部」 代表 武田佳世子
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