2016年2月27日(土)・28(日)に、エゾシカハンティングの聖地として全国に知られている西興部村に、エゾシカの有効活用策の先進的な取り組みについて知見を得るため、北海道エゾシカ倶楽部の会員6名とエゾシカ活用策に関心がある大学生の計7名で西興部村まで視察しました。
西興部村は、興部町の西部の内陸部に位置する人口約千人の村で、基幹産業は酪農。
ギターのボディを製造する工場や特別養護老人ホーム、知的障害者福祉施設があるためそれらに就労する者の割合が高いとのこと。
また、人間とエゾシカの理想的な共存を考える「北海道唯一の猟区」を有し、その猟区内では「西興部村猟区管理協会」により、ガイド付きハンティングによって村外からのゲストハンターに狩猟の場が提供されているという、先進的な取り組みで知られています。
西興部村猟区管理協会
26日(土)午前10時に札幌エルプラザ発車後、約4時間半かけて最初の目的地である西興部村上藻にある「ノースグランド」という牧場に到着。ここでは、この地域の基幹産業である酪農業に関する現状を知るために乳牛の搾乳状況を見学しました。
説明によると、搾乳は午前と午後の2回行われており、写真のとおり牛10頭ほどが1列に並んだ後に搾乳機に掛けられ10~15分で搾乳されるとのこと。
現場で作業するのは、海外技能実習生として3年間滞在して働いているベトナム人女性たちで、すでに搾乳作業の要領を得ているらしく、慣れた手つきでキビキビと動いていました。ここで飼っている牛の総頭数は約500頭、一頭は一日あたり30~35㎏が搾乳されるそうです。
説明の中で、この種の牧場は大規模化しないと採算が取れないため、この牧場も約20年前に大規模化した話や、大規模化できず後継者不足で酪農家の廃業も相次いでいるなど、北海道の酪農業の厳しい現状も知ることができました。
牧場見学を終えた後、この晩に開催される鹿肉パーティーの会場であり宿泊先でもある西興部村のホテル「森夢」に到着。
公益社団法人 札幌消費者協会「北海道エゾシカ倶楽部」 代表 武田佳世子
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